だいたいうろ覚え

物忘れが激しくなってきたので備忘録

音楽劇黒と白2(12/1 AD)

29日の記事(https://sskry-nao.hatenablog.com/entry/2020/11/30/123036)に追記しようかと思ったけど、長くなりそうなので分けることにしました…。前回見てからというものの、仕事してる時もめちゃくちゃ気分良くて(笑)楽しいものを見た後とか、見る直前ってすごいウキウキして余計楽しいなあって思いました。

 

そんで感想。

OPやっぱりかっこいいよなあ。天使たちが倒れ込むところ大好きなんだけど、あれスモーク大丈夫なのかな…つらいかもだけど、めちゃくちゃかっこいいよ!!!

メンタルブレイク効果音変わってたのが面白かったw

 

◆A(2回目)

何回見てもやっぱりいいなあ。拓人さん、ダンスもうまけりゃ演技も上手いし声も顔もかっこいいってどういうこと?歌もうまいよ……。マモンのときとマルコのときのギャップがすごい。でもどっちも「強欲」感ある。今回、天使の時と転生後にギャップがある/ないに注目してみてたから余計振り幅すごいなと思った。静かな演技が多めかなという印象だけど、その中でも感情を爆発させているのが好き。

一発芸コーナー、バスタオルでパスタ折るは笑いよりも「おお〜」って感じだったwうまいwシモーヌの鳩のあとベルナルドが「今日も平和だ!」って言ったの好きだったw鳩だけにね

塩澤さん演じるレオ(レオン?)の泣きから高笑いに転じるところが上手いなと思って毎回注目してしまう。序盤のマルコに宿題押し付けるところのやり取りいいよね。

堀田さんホント歌上手いな……

Aはあと1回見ます。えっあと1回しか見れないのか…うそだ……悲しい……やだ…

 

◆D(嫉妬×寛容×破滅)

推しキャラ、なぜすぐ死ぬ問題。(わたしは無機物合コン選手権してる時の千葉さんが好きです)

話としては、いがみ合ってるアバドン(イーサン)とレヴィアタン(フェル)の仲を取り持つことに苦心してたガブリエル(ルーカス)が死んでしまい、バグとして二人の前に現れるのだった…みたいな展開。まあ、王道と言えば王道なんだと思う。

プログラミング勉強中なので個人的には映像にテンションあがった。あと千葉さんほんと歌上手いな……

この話、一見アバドン×レヴィアタンに見えるけどメインは寛容×嫉妬なんだよね。そこがちょっと落とし込めなかったな。フェルがルーカスに嫉妬していてそれを受け入れる寛容ルーカス、っていう構造はわかるけど、それと同じ構造をイーサンも持ってるから寛容×嫉妬の盛り上がりがもう一押し欲しかったな脚本。というかイーサン…破滅かなあ……。

寛容って難しいなって思いました。ちょっとずれただけで調和とか無私とかと似てしまう……。どちらかというと、イーサンやフェルの憧れていた「自分の意見を持っていたころのルーカス」が寛容の性質を保持したルーカスだったのかな。

ルーカスが組んでたVRでイーサンとフェルがやってた動作を終盤生身の2人が再現するところとか、ルーカスがずっと1人で歌っていた仲良しだった頃の3人を他の2人が歌うところとか、エモポイントはしっかり踏んでくるのが好き。

 

今回席が前ブロックだけど端!という角度のついた席だったんですが、逆に角度があるからこそEDの黒天使と白天使がそれぞれ並んだシーンが一目で全員見れてかっこよかった〜!

黒白って、見た後に人間がとっても愛おしく感じるのが醍醐味なんじゃないかと思う(私は元々博愛主義者だからそう思うのかも🙃)いろんな感情を抱えて生きてる人間、いいよね。

 

 

完全に余談なんですが、、

基本的には規制退場時に手を振ったりとかしないんですけど、前列の人たちは手振って振り返されてたし、ちょうど近くに来たところだったので勇気を振り絞って手を振ってみたんですよ。まあ、無反応だったのでタイミングが悪かったか〜(・ω・`)ってしょぼくれてたら後方で見てた友人に「ガン無視されてたねwww」って言われてめっちゃくちゃ恥ずかしかったです!!!空振りしてるところを!!見るな!!!なれないことはするもんじゃないですね😌

音楽劇黒と白2 感想(11月29日マチネ、AC)

最近更新してないのにも関わらずめっちゃアクセス数あるな…?って思ってたんですけど、ぐーぐるで「音楽劇黒と白 感想」で検索するとこのブログが1番上に出てきちゃうのね……。申し訳ない、そしてただの書き殴りだからちょっと恥ずかしい…

そんな黒白1の感想はこちら

https://sskry-nao.hatenablog.com/entry/2020/02/23/212233

 

それはさておき、11月29日マチネ、AC見て参りました!

今回はグッズは通販もあり、個ブロも無事にゲットできました。嬉しい!前回は買えなかったから……。(何回でも言うけど、キャストが「欲しい人みんなの手に渡りますように」ってツイートした時点で大量買いするのはやめて…)前回はちょうど引っ越しの日とかぶってしまい、1公演しか見れなかったのが悔しかったので、今回は4公演ぶち込みました。あと3回も見れる!すごい、幸せ!!本当はもっと行きたいけど、前後の観劇予定とお財布事情がアレなのでアレです。

 

客席に入ってまず、セットがかっこよくてめちゃくちゃテンションあがりました!ステージにレースの幕が閉まってて、そこにタイトルが投影されてる…だったかな(すでにうろ覚え)

最初のOPが黒白1のときと同じでエモエモでした!後ろ向いて手で羽を広げる振り付けが好き。前回に比べて天使たちが増えたので揃ってステージにならんでるところは圧巻…。オープニングおわって暗転した時思わず「ほぅ…」って息が出た。もはや美術品の如き。

本当にみんな顔がいいな??(わたしは黒白のこと「ムービックのハーレム」だと思ってます。)

前回は冒頭のところめちゃくちゃ淡々としてたけど、今回はわりとわちゃわちゃ気味というか。人数も増えたしすっかり賑やかに変わったプルガトリウムでした。新しい風!って感じ。ヒューリックホールは横幅があんまりないから、余計わちゃわちゃが似合う感じしますね。

 

◆A(強欲×無私×怠惰)

マモンを主軸にした話。農民である野心家マモンが貴族のメタトロンと出会い…という話。

めっっちゃいい話だった……。

メインの3人は言わずもがな、アンサンブル出演してた橘さん、塩澤さん、堀田さんもめちゃくちゃいい味出してる。橘さん演じる執事の、あのマモンに対する感じ絶妙で好きwメタトロンが没落するときの堪える感じとか。

あとベルフェゴールがワイン持ち出すところ見たら黒白1を思い出してニヤついてしまった。(兄さんほんっっとうにかっこよかった……ビジュアルが良すぎて脳みそが動きを止める…髪長……!動き方も怠惰って感じでほんと好き。あの手の動き…)

最後の野望か友情かを選ぶところ、強欲ならどっちも(もしくは野望)選ぶ結末になりそうなものだけど、友情を選んだのが本当に“人間”でよかった。プルガトリウムの場面とか、ルシフェルミカエルの会話とか、基本的に天使たちはお互いの性質を肯定していると思う。「君は〇〇だからね」と言ったふうに。強欲とか怠惰とか、ネガティブな意味に捉えられがちな性質も「それが君の性質だよ」と認めてもらえている。でも転生後の「人間」は単一の性質ではいられない。強欲のマモン、無私のメタトロン、怠惰のベルフェゴール。それぞれが交流しあい、性質が混ざり合うのがとても人間らしい。単なる友情物語を描きたいのではなく、性質が混ざり合うことこそが人間なのだと表現したいのかなあと思った。

ベルフェゴールがメタトロンに憧れてるの、良かったな…。強欲が無私を特別視するのは正反対だからだと思うけど本来怠惰が無私を特別視する理由はないわけで。ベルフェゴールが怠惰といいつつ俯瞰的に人間を見ているから、メタトロンが異質に映るんだろうな。そういうところが前回の転生のときとダブって感慨深かった。(キャラの一貫性とでもいうのかな)

あとあと!映像班!好き〜〜!!マモンがメタトロンに勉強教えるところで半透明の幕が閉まってて、その上に文字をかいたり勉強を教えてる吹き出しの映像を映しててそういう使い方があるのか!って感動した。説明下手だな…舞台にキャストが立ってる状態で映像がレイヤーのようになっていたということです…あのシーン、「チェスしよう」からのダンスもなんだかチェスっぽい動きで良かったな。

 

◆C(調和×不和×堕落)

これはやばい

やべー話を見ちまったよ!!!!なんなんだよこれww正直Cの衝撃強すぎてAの記憶若干飛んだわ!

もうね、話の内容がなんっにも入ってこないwひたすら笑ってました。いやいやいや皆正気で演じてるんだよね??どうしたらこんな舞台が作れるの???すごくない??本当にずーーっと笑ってるから!!振り幅がすごすぎる!!

マジで話の内容よく分からなかったし、多分真面目に考えたら「なんでやねん」しか言えないんだろうけど、Cは笑いが目的でそれに手段が合っていて結果も大爆笑だったから作品として大成功すぎる。いやずるいよなんだよあのばばあ…!!途中まで「これメインは調和と不和とあと誰だっけ???國島さん??」って思ってたくらい周りのキャストのアクが強い!!患者1誰かと思ったよ!!顔あげろwwどんだけ腰曲がってるんだ!w謎のばばあへのこだわり。患者2はもっと自由すぎる…!ツッコミが全然追いつかない。患者さんは比較的まともなんだけど、それがバランスよくて余計笑えるw國島さんがやばい人だとは聞いていたけど院長のやばさ本当にすごかったです。もう普通のセリフ言ってても笑える。もう途中からわたしも混乱してた。全部面白かった。「こういうの(院長)が好きなの?」っていうルシフェルはめちゃくちゃ可愛かったです。よいしょーずはツッコミきれないのでツッコミません!

役者って…すごいんだなあ……

あとこれ音響さんめっちゃ楽しいだろうなって思いました!メンタルブレイク効果音のところもw

 

AC共通なんですけど、前回に比べて音楽劇要素増えてたのも嬉しかった〜!!最後の生歌もね!かっこいい!本当に大好きな作品です。

 

私は知ってるキャストたくさんだからキャストの印象込みで個性豊かだなって思うんですけど、初見の方とかにはどういうふうに見えているんだろう。もう少しキャラクター性強めのも観てみたい。(イブステ、スケステネタ……私はめっちゃウケたし楽しかったけど、ツキプロ層がターゲットではない作品としてはアウトなのでは…幕間とか規制退場のときだからセーフなのか…?でも見てない人は疎外感あるだろうし…)

 

BとDは観に行ったらちょくちょく追記しようと思います。色んな人にBが面白いよとかDみたら感想(悲鳴?)聞かせてねとか言われてるので楽しみです。チケット追加購入も検討したい、、

絶対黒白3もやって欲しい……。

 

12/1AD→

https://sskry-nao.hatenablog.com/entry/2020/12/02/182928

愛おしくも優しくない世界 感想

三年前に撮影された自主制作映画、見て参りました。

愛おしくも優しくない世界

企画・脚本・監督・プロデューサー 高橋茉由

LGBTサイコパス精神疾患・ファンタジーをテーマにした四つの短編からなす長編作。

 

①檻の中のうち

女を監禁している臆病な男とそれを見守る死神の話。共依存の成れの果てだと思って見ました。一見男が支配しているように見えるけど、お互いがお互いを追い詰めてる感じ。(性)暴力に及ぶのは男の方だけど、最後にうずくまる男を抱き抱えて笑う女のところとか。途中で仕事の電話に出る男が快活そうで、「あー外面いいんだよね」と思ったり。男の感情の起伏の激しさが説得力を出してた、と思う。外で普通に笑ってる女の写真を眺める男のシーンとか、髪を洗ってあげたり整えたりするシーンが好きで、女への愛情を感じ取れたのもよかった。男の目がすごく良かったなあ……。女の人は壊れちゃったんだね。終盤死神が見えたということは死んじゃうのかな?

この流れで言うのめちゃくちゃ危ないやつみたいなんだけど、わたし共依存モノが好きで!一種のユートピアだと思っている節がある。できることなら世界は二人で完結しててほしいけど現実(?)は難しいね!好意のバランスが釣り合っていればまだどうにかなるのかしら。でも女も男を支えようとした結果だと思うから、やっぱり壊れちゃうか。監禁したのがよくなかったね(笑)独占欲が一番難しい。人ごとではなく。

外鍵をあんなにグルグル巻きにしたら通報待ったなしだし、ヨーグルトはしばらく食べれそうにない。

 

②残影

テロで恋人を亡くした女の話。精神疾患サイコパスLGBTを並べるの悪手だと思うんだけどよっぽど描きたかった話なのかな。というか、家族葬にするとはいえ(恋人でなくとも)ルームシェア相手にも最期の挨拶をさせない両親冷たいな……。母親は理解できないけど、と言うけど挨拶させてもらえて良かった。挨拶するのに親の許可いるの本当に辛いな。誰のための弔いなのか。家族制度の弊害という気もする。

 

③あなたのために

解離性同一性障害の人とヒモ男の話。解離性同一性障害の人はそれぞれの人格で別々の人間に性を売っていて、収入を得ている。そしてその金を男に貢いでいる。死神は終始わからないという顔をしていたけど、ハッピーエンドだなあ〜って思いました。別の女との間に子供ができたときはひやっとしたけど、なんか普通に男も「お前の子なら」みたいな可愛がりをしだしていたし、幸せそうじゃん!いわゆる健全じゃない関係性なんでしょうけど、壊れなければそれは幸せと言うんだよ。そして(解離性同一性障害のこと全然知らないで言っていいかわからないが)障害の類は病気なのかもしれないけど不便を感じなければ障害ではないと感じる作品だった。男の内面が見えづらいからサイコパスなのかなとも思ったけど、どうだろう。人間的な感情に基づく行動とは違って、「こうすれば金がもらえる、快適に暮らせる」という目的のために動いている感はあるけど、最後赤ん坊の声に音楽活動邪魔されても余裕そうだったしなあ。

 

④繋がれども

死神と死に際の老女の話。死神しゃべるんかい。①〜③を見てきた死神が「理解しがたい人間の営み」について理解をしようとする。そして老女を看取ることを決意した死神は共に生活を始める。昔、一人でいることを選択した老女だが、それでも一人は寂しいと涙をこぼす。個人的に孤独死に怯えている私にとっては一番怖い話だった。最後死神と老女が性行為してたけど最期に求め寂しさを埋めるものが性ってちょい乱暴な気もする。まあこの老女はそうだったんだな……。相手が死神じゃなかったらあまりにも老女のための物語感強くて見てらんなかったけど、死神だし、ファンタジーだし、まあ。。という落とし込みができた。

 

4作を繋ぐのは「性愛」であり、そして「さみしさ」だ。さみしさは独占欲を助長し暴力となってパートナーを閉じ込めるだろうし、恋人を亡くした者には性別に関わらず平等にさみしさが覆いかぶさる。一方通行な献身に私たちがさみしさを感じるのは、私たちが「報われたい」というさみしさを内包しているからだ。

さみしさは放っておいても自然に消えることはなく、それどころか勝手に自身を増強させ精神を蝕むものだ。さみしさを癒すには老女のように、人に寄り添ってもらうしかないのだろうか。

 

クラウドファンディングの作品紹介ページがわりとそのまんまで、なんならオチまで書いてあって、本編でなにかもう一押しあるのかと思ってたのでそういう意味では物足りなかったなと思った。

四話のクレジット、真くんと香澄逆になってますよ(小声)

推し、燃ゆ 宇佐見りん

つらい。いや、つらくないけど、つらい。

 

Twitterでこの作品の試し読みが流れてきて、翌日に買いに行きました。「アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐ」という文章を見て読まねばならないと思った。最近RTでよく見かける「同人女の感情シリーズ」もそうだけど、私たちの感情はあっという間に言語化され作品に落とし込まれるのだなあと思った。推しとファンの作品といえば「ガチ恋粘着獣」も好きだけど、あっちは「自分の中の推しに中の人を押し込める」話で、逆にこの作品は推しを読み解きたい主人公の話だ。

 

推しを推し続けてきた主人公(社会不適合者である)の推しがある日炎上してしまいファンも減り人気もさがり……という話です、簡単になぞると。私の推しは絶対に人を殴らないので(これは私の"解釈"です)安全圏から読むとつらくないです。でも主人公あかりだって推しこと真幸くんが人を殴るような人ではないと解釈していた。あかりは解釈を間違えた。つらい。人を解釈するなんてどだい無理な話で、その時のコンディションとか、気分とか、いろんなものに影響されて人の考え方なんて変動していくものだ。私だってきっと常に解釈を間違えている。つらい。それでもあかりは(そして私も)解釈を辞めない。何故なら「推しが感じている世界、見ている世界をわたしも見たい」と思ってしまっているからだ。まあ私はもっと打算的な気持ちもあるのだけど。

この作品では、暴力事件でファンを減らした真幸くんは同棲をすっぱ抜かれさらにファンを減らし、所属グループは解散してその解散発表で薬指に指輪をしてくるという、まあ、なんだ、推しにされたくないことの見本市かな?って思ってしまった。引退した真幸くんの生活(と思われたもの)に触れたあかりは、とうとう人間は解釈できないのだと悟る。私たちから推しが消えたら、何が残るのだろう。

私はというと、もう自分の推しさんと真幸くんの違うところを探しては安心するのに必死。推しさんはファンからの求婚に「今は仕事のことでいっぱいで結婚は考えてません、ごめんなさい」って答えてるくらいだからしばらくは結婚とかしなそうだし、いやまあこれ2年前の情報だけど、うん。別に結婚して欲しくないわけじゃない。アイドルでもないんだから恋愛したり家庭を持つというのが幸せのひとつなら幸せになって欲しいよ、いやマジで。引退はしないでほしいけど。おじいちゃんになっても舞台に立っていてください。

わたくしめちゃくちゃ真面目な人間なので「推しとの適切な距離感」「推すにあたっての心構え」なるものを月2ぐらいで考え込んでしまっては結局「応援したいから応援するでいいじゃん!無理にゾーニングする必要ないな!!好きなスタイルでいこう!」って結論で終わるんですけど、この作品の中盤までってこういうフワフワした距離感も肯定してくれてるんですよ。「あたしは推しの存在を愛でること自体が幸せなわけで、それはそれで成立するんだからとやかく言わないでほしい」その通りですね、ハイ。まあ、あかりは「お互いがお互いを思う関係性を推しと結びたいわけじゃない」っていうけど、私の推しさんがファンに求めてる関係性ってお互いを励みにしてそれぞれの人生を歩むことだと思うからそこはちょっと違うんですけどねー、いやー、推しさんがそう思ってるのなら私がその関係性を目指すのは合法だよ。合法だよ!!かといって馴れ馴れしくするのも礼儀を欠く。私は繰り返し繰り返し推しさんのツイートを読んだり配信聞いたり写真見たりしてるから、つい一緒に過ごした時間が長いと思いがちだけど実際には全然そんなことないんだよな(戒め)結論、推しに恥じない人生を送りたい。

……とかまあ脳内でいろいろ言い訳やら懇願やらでごっちゃごちゃ考えてたら推しさんが「美味しいご飯作りましたっ!」ってツイートしてて本当そういうとこが好きだよ……。細かいことはなんでもいいや、これからも推すから、応援してる人がいるなって事実だけ受け止めてくれ。あといっぱい食べて幸せでいてくれ…

 

私の推しへの感情が強すぎて推しに関することしか書いてないんだけど、文体とか表現も好きな作品でした。友達といるときの「隣からいいねが飛んでくる」とか、一緒にいるのにお互いTwitterみてる感面白い。

推し側の人が読んだらどう思う作品なんだろうか。読んでほしいような、読んで欲しくないような。私たちの切実さを知ってほしいような気もするし、知らないで自由に活動してほしいとも思う。

しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子

これも再読。本棚ひっくり返して手当たり次第に読んでいるので、まあだいたい再読なんだけど。多分実家にあった本。

 

話の内容は、落語家の主人公が吃音の従兄弟(良)と会話の苦手なおねーちゃん(十河)とイジメにあってるらしい男の子(村林)とあがり症の元プロ野球選手(湯河原)と落語教室をやっててんやわんや〜な感じ。

 

主人公が落語家なだけあって(?)地の文もなかなか粋な書き味である。

落語…小さい時に分厚い落語集が何故か家にあり読んだことがあるし、本編にも出てくる「まんじゅうこわい」はすごく好きだったな。落語家によるオタクパロディ落語は見に行ったことあるけど、古典落語は見たことないんだよなあ。いつか見たい気持ちはある。

 

主人公の三ツ葉は喧嘩っ早いし、子供相手に手をあげちゃうし、全然理想の人間なんかじゃないけど、面倒見がよく芸に対して真摯なことが丁寧に描写されているのですごく魅力的なキャラクターのように感じられる。落語を習いに来たメンバーはそれぞれあまり人に言いたくなさそうな悩みを抱えており、三ツ葉はそれにさまざまなアクションを起こす。このときの各々の距離感が心地よい話だなと思った。けして解決はしないし、深く踏み込むこともしない。山場である村林のクラスメイトのことも、前進の御膳立てしかしない。でも表面的な干渉であることに自覚的で、だからこそ寄り添うようなアクションだ。解決はあくまでも当人に任せられている。行動を起こすまでに寄り添うような、そんな感じがした。物語自体もご都合主義丸く収まりました的な話でもなく、うまくいくところもあればうまくいかないところもある。それの塩梅がちょうどよく思えた。

 

バトリズムVOID 感想(13日マチネ観劇)

まずは、無事に開幕おめでとうございます。正直5回くらいもうダメだと思った……。でもこうやって公演ができたのはスタッフやキャストをはじめいろんな方が対策を考えて実施していただいたからだと思います。本当にありがとうございます。

 

今回は知ってるキャストさんが多かったので、そういう意味でも楽しめた観劇でした。とくに安東さんは見るの2回目(しのびなう)なんだけど、どっちもお馬鹿キャラだったからなんか安東さん=ちょっとお馬鹿みたいなイメージになってしまいました(笑)縣さんも見るのは2回目(始さん)で、縣さん自体はぽわぽわしてるイメージなんだけどミステリアスな雰囲気似合うなあ。

あ、最初にバトルパフォーマーすごかった話をさせてください。あえて断りを入れるほど語るわけじゃないんですけど、本当にすごくて!!回ったり飛んだり転がったり凄すぎてずっと目で追ってました。なんか水族館のイルカショーくらいの高さだし揃ってるし!イルカショーって褒めてるんだけど伝わってます?大丈夫ですか?

序盤の、チームごとのわちゃわちゃが可愛くて好きです。見る前は紅霊会好きになりそうだな〜って思ってたんだけどあんなチームだとは予想してなかったよ!!

チーム乱、お笑い担当感(笑)ノリオの、あの口上に堀越さんが手応え感じてないってアフタートークたつきちが言ってたけど、面白かったよ!!ていうかあれ日替わりなんですね、難しそうなのにww食べ物じゃないのやりとりも早口すごかった!

紅霊会。ヒトシの手のポーズが逆なのだれか突っ込むのかなって思ってたけど最後まで突っ込まれなかったwほんとヒトシ癒し系で出てくるたびほんわかしてて面白かった。多分ヒトシだったと思うんですけど、途中でカスミとシンが会話して他の人は動かないっていうシーンで、ヒトシが腕上げたポーズで止まっててめっちゃ辛そうだなって笑っちゃいました。シンジが途中から不穏な雰囲気は出してたけど、序盤は文句言いながらも楽しそうなチームだったから、次見るとき絶対シンジに注目しちゃうな。あと「偏差値34」の印象強すぎて、後半カスミとゴウくんの掛け合いとかなんかいいこと言ってても「でも偏差値34なんだなあ…」って思ってしまった罪深い。

Misty!安定感あるチームだなって思ってたのにまさかまさかの!最初本当に仲の良さそうで、ゴウくんも不満は抱えつつも仲間は大切にしてると思っていたのに……!今回とくに心踊ったシーンが二つあるんだけど、そのうちの一つがゴウくんがリツとマサルに手をあげるところでした。もう一つはレイジが参戦するところ。心踊るって書くとなんかめっちゃ裏切り推奨してる人みたいですけど、なんだろう上手い言葉が見つからない(笑)「こうくるか〜すげ〜!胸が熱くなる展開きた〜!」っていう感じです。

レイジがバンダナ外すところめっちゃ良くないですか!?お、おまえもか〜〜〜!!ってなったし、今までミステリアスな雰囲気で悪くいうとスカしてたレイジが感情を見せてきててすっごい興奮しました!!レイジが台頭してきて、ソウジくん(偏差値34)泣いちゃわないかなって心配してたけど案外強かなヤツだった(笑)元気そうでよかったよ、仲良くやれよ。レイジがソウジを蹴り上げたあとでちょっと口角あげるのがかっこよかったです。

ハヤトとシンジとゴウの裏切り、まあゴウくんがシンジ唆してハヤトも引き込んだんだろうけど、どうしてシンジくんが…。「どうして裏切りという形をとった!」に対する答えが「こっちだけ3人なのは不利だから」っていうのはなんか「あっ、たしかにね…」と納得してしまいました。勝つためなら手段を選ばないっていう割に武器を使うわけでもないし、トップになることが目的なんじゃなくて本当に「勝つ」ことが目的なんだなあ。周りからダセェって言われまくってたけど、その実直さはカッコいいものがありましたよ。

あと司会?の網走くんの細かく畳み掛けてくるギャグわりと好きでした。勢いに弱い…

バトリズムシーン、メドレーみたいな感じなんですね、想像と違くてびっくりしました。見たいところがたくさんありすぎて結果あんまり覚えてないっていう感じなので、次回は振付とかにも注目して見たいな!

内容に関しては、ヤンキー文脈とは無縁に生きてきたので終始「なるほどな〜」「そう考えてるんだ」って感じでした。喧嘩自体も最近は無縁で、喧嘩をあんまりポジティブに捉えたことも無かったからコミュニケーションの一環かあ、そうね……。小さい頃お兄ちゃんとしょっちゅう殴る蹴る(殴られ蹴られ)の喧嘩してたけど全然疎遠だなあ(笑)カスミは人への興味が先にあって、手段としての喧嘩っていう感じがする。他のチームの、例えばレイジとソウジとか、ゴウくんとカイとか、喧嘩が先にあって結果に相互理解があるような気もする。(喧嘩勃発時は相互理解しようという目的が明確にあるわけではないので)

なにはさておき喧嘩、やってみたらスッキリはするんだろうなあ!実際問題、喧嘩できる関係性を先に築く必要があるからなかなかできないですけどね。

 

あと二回見る予定なので、なにかあればまた付け足します。

小袖日記 柴田よしき

再読。

母親が買ってきたはずだけど、母親にはその記憶がないと言う。

あらすじは、落雷の衝撃で平安時代のひとと主人公が入れ替わってしまい、源氏物語作成のお手伝いをするというちょこっとミステリー要素あり、な話。

 

初回読んだ時はそこまで気にならなかったが、今読むと少し苦手だなと思ってしまった。なんでかというと、この主人公が「なかなかのフェミニスト」だからだ。なかなか、というのは、うーん、私はクソフェミだと思うので、そう表記する。

フェミニズム小説ってなんだ?という話にもなってしまうんだけど、この小説におけるフェミニズムの流れというのは下記のようだと思う。つまり、男社会の被害者である平安女性の暮らしを対面し、それに対する不満のぶちまけ。ただそれは現代でも同じだという不満。いずれの時代でも制約つきものなので、その時代の中で懸命に幸せを探すしかないという結論。

け、結局結論が抑圧を受け入れろという話なのか!!!!??あれだけ男性主体社会にギャースカいってたのに!?源氏物語も同じ理由で好きじゃないって主人公に言わせているのに!?

そしてそして主人公は、元の世界で不倫してるというのだ。最終的には、つまらない恋なんてやめよう、不倫男と決別しよう、みたいな話に落ち着くのだが、不倫してた自分への内省はあまり見られない。旦那の不倫で辛い思いをしたという人の話を聞いてなお、マジで相手の配偶者に対しての感情ゼロ。そのわりに男に対しては優柔不断だとかなんだいうわけだけど。自分棚上げがすぎていっそ清々しい。不倫相手が先導した加害者ではなく、主人公も積極的な共犯関係なんだけど……??

私の意見に過ぎないけど、不倫って人間として誠実さをかけた行為だと思うし、性別に関係なくフラットな社会を作ろうとする(私の)フェミニズムとは逆を行く行為だと考えているので、さっき主人公がクソフェミってかいたけどこれがフェミニズム小説として消費されてたら悲しい。

 

「男たちは女に、はかなさや頼り無さ、無力であることを求めるのだ。小柄で楚々としていて、自己主張せず、男の言いなりになって男の背中に隠れたがる女を。(中略)強い女を愛せる男が本当に強い男であって、か弱い女を守ろうとする男は、自分より弱い存在が欲しいだけのこと。」

いや、この文めちゃくちゃ男性に対する悪意感じませんかね……。人間を強い弱いで分類するな。そもそも、「強い女」を目指し続けるの自分に対する呪いだと思うのですが。そのあと、不倫してる自分には他人をあーだこーだ言えない、みたいな文が入るんだけど、取ってつけたような文章だとしか思えない。さんざんあーだこーだ言ってただろ。

 

源氏物語に限らず、歴史的な物語は現代と倫理観がズレている。そうした過去の作品をどう論じるかってこれまでもいろんな人が書いていることだとは思うけど、私はそんなに熱心に語ろうとは思っていない。歴史的な物語はそれだけで価値がある、というと語弊があるのだけど、例えば「日本初の物語!」とか「初めて口語体で書かれた」とか、そういうまさに「歴史」としての価値があるもので、それと現代における価値というのは分けて考えたほうがいい。昔の物語を「再評価」するのだったらまだ意味がありそうだけど、「倫理的じゃない!」って勝手に盛り上がるのはナンセンスだと思う…。あんまり言いすぎると、じゃあ最新の作品しか評価しちゃいけないのかみたいに拗れてしまうのでそこはうまくぼかしたい。ぼかしておいてください。

 

源氏物語の話したかったのにそこまで行く前に力尽きた_(:3 」∠)_