だいたいうろ覚え

物忘れが激しくなってきたので備忘録

シックスコードの響く先で 感想

場所はMsmileBOX渋谷!駅からは少し遠いけど、先日べつのイベントでルートを確認していたので無事に到着。。

着席してまず目にはいるのは舞台セット上部の数字のネオン。私の席からは2008324と見えたので、2008年の3月24日になにかあったのかな??と思いながら開演を待つ。大部さんが出てきて注意事項を話してくれ、引っ込んだと思ったら物語上の前説がスタート(笑)前説が二重なのがなんだか不思議な感じw

凝った演出はたくさん合ったと思うけど、とくに序盤に集中してたかなと思う。語り部に合わせて動く演者(大部さんと高谷さん)、と思いきや徐々に境目が溶け合って演者だけに切り替わる演出がすごかった。ちゃんと序盤に、物語に引き込むための演出をしてくれるの観客に優しい!ここで上のネオンが2023と点き、ようやく「年」を表しているのだと気づいた。その後もネオン、ボード、ギターケース、、といった小道具を使いながら時間の経過を教えてくれる。学生時代のシーンも演出が妙で、対スマさんのときと対母親の切り替えは、まるで映像作品のカット割のよう。(友達の前でイキってる時の声のトーンと母親の前でのへたれてるトーンの落差も面白かったです)飛ぶように進んでいく時間経過と流れるような場面転換が相まって序盤のテンポはかなり速い。途中でスマくんの不幸やまいさんとの別れが挟まり、いっときはテンポを落とすものの、完全には落ち切らずそのまま駆け抜けていった印象だった。あっという間の66分。とはいえ内容が圧縮されていたが故の「あっという間」感だったので、物足りなさみたいなものはなく面白かった。お墓詣りのシーンで車の扉をしめるSEを使っていたのがなぜか印象的で、それまでテンポよく進んできた分、こういう細かな音を入れることで流れの強弱というか、そのシーン自体が際立ってくるなと思った。

物語の内容自体は、正直に言うと、実在するモデルがいるからなんとも書きにくい!(笑)日替わりのラジオのシーンで高谷さん(実在)のお二人のお子さんの話が出たもんだから、本編2008年でまいさんと話してるシーンで「このまま結婚するのかな?いや、お子さんが〇パンマンチョコで喜ぶ年齢で、今は2023だから、2008年は15年前で、えーとつまり??」とぐるぐる計算してしまいました(笑)そうですね、フィクション高谷さんもなぜか言っていましたが「ゆうき」って名前の方は優しい方多いですからね、知らんけど

あと小谷さんを初めて生で拝見できたのが嬉しかったです!ご主演された映画のDVDを買ったりしたことはあったんだけど…すごく背が高かった……!

 

ネオンを使って年を明示するときは、演者の導線の都合上なのだろうけどつける順番がバラバラで(例えば2023とつける場合、2032のような順番)それはなんだか画角が固定されている演劇ぽいなあとぼんやり思ったりもした。フィクションではあるというものの、高谷さんという方の人生をこういう形で追体験できたのも面白かったし、演出の節々から(本人役としてしゃべってもいたしね)大部さんの人柄もなんだか垣間見えた、そんな作品でした。

さて千秋楽を見に行く支度をします。

 

-----追記(7/1)
千秋楽お疲れ様でした!なんで2公演しかないんや……(笑)アフイベの笹さんは笹さんでしたね!すごい笹さんでした。ゲストがきてて、、って笹さんの話になった途端岩佐さんがニヤニヤし始めて、なんなんだこの2人……。

さて、覚悟を決めて内容について書いていく。あくまでもファンタジーとして語っていきます。
いや〜〜すまくん!!!もう、2回目みた時は序盤の登場シーンでうるっときてしまった。あそこの2人の掛け合いが本当におバカな男子中学生で、可愛くて楽しいが故にもうこっちの情緒が死ぬ。お母さんのしっかりした感じも相まって高谷くんのコミカルな感じがすごく良かった。テンポがよいから順風満帆のように感じるけど、紆余曲折はあったんだろうなあ。「こんなに簡単に忘れちゃうんだな」の台詞がすごく好きで、それだけ今が充実してるってことだとは思うけど、なんで人間の脳の容量ってこんなに少ないんだろうなーって思ってしまった。忘れちゃってたのに、お墓参りにきておじさんにお礼言われてしまうのがすごくつらい。一方で2023年の、インタビューに答える高谷さんは過去の"別れ"について踏ん切りがついているようにも見えた。そこには劇中で語られなかった会社設立以降の15年間が垣間見える。こうして物語として、インタビューとして語ることができているのは、かつて「忘れちゃってた」とこぼす高谷くんにまいさんが渡した「大切にしなよ、これからも」という言葉の通りにしてきたからなんだろう。死んでしまっても、離れてしまっても、日常的に思い出さなくても大切にはできる、のならいいな。