縁もゆかりもない劇団さんだったのだけど、小劇場みてみたいなーと思っていたところにたまたまフォローした人がRTしてくれて、「池袋、19:30、3500円」=平日に行ける!となったのでそういう経緯で足を運ぶことになりました。
そんなわけで仕事終わりに向かったわけなんですが、お腹が減りすぎてキツかったです笑
しかも食事のシーンが二回もある!その鍋分けて欲しい……あとなんかめちゃくちゃおいしそうだなあ……
本編の感想
序盤からのどったんばったん。物語についていけるかな?と思っていたけど気付けばモノローグに引き込まれて流れるように発せられるタイトルコール。かっこいい。
第一部は現実が夢物語のようになってしまう話で、現実に地に足ついている人たちは悲しんでしまうし、夢物語を追う人は突如現れたユートピアに歓喜するような感じだった。
果子先生…ものすごく可愛くて、可愛くて、大好きだ。神田太一郎と果子の出会いのエピソードがめちゃくちゃ良かった。「君はどこにいるんだろう」のセリフを聞けただけで無性に「良ッ!!!」と叫びたくなった。いや、めちゃくちゃ良いですよね…。耳をすませば的青春を蹴り上げて気持ち悪がる果子とか。貸出履歴のラインナップもなんだか面白かったし(ヴァージニアウルフの名前を久々に聞いた)、それを律儀に読む神田太一郎とか。そして実は全然追いついてなかったというオチも含めて良かった。噛み合ってなさが噛み合ってて良かった。果子と話してる時の神田太一郎も好き。
第二部は現実のうちのいくつか(いろんな海があるようにいろんな現実がある)の話で、夢物語は現実にはならないし、帰らなきゃいけないし、悲しい感じだった。でもユートピアはあったのだと思う。赤兎馬のように探し当てるものとしてではなく、果子のように自らで創り出すような形で。最後のみんなで鍋?貝?を食べるところが好きだった。それぞれが「違う視点で生きている他者」としての会話だった。
全体的にはモノローグやセリフのテンポ感がすごく力強くて面白かった。一本の筋の通った話としても面白かったけど、エピソード毎や演出の巧みさが際立つなあと感じた。あと、メトロ好きなので、たくさん駅名や駅構内の話が出てきて楽しかった。
男子生徒の役を女性が、老いた母役を男性が演じていた意図はわからないけど、私個人としてはそれがなんだか嬉しかった。キャラクターの性別や性自認や指向を考えるのがなんだか最近とっても嫌なので。
あの会話のテンポ感、また見たいな。