麻耶雄嵩好きなんですよね……どれくらい好きかって言うと、かつて脈絡もなく卒論に登場させたくらい好き。本当に脈絡なかったんだけど怒られなかった。今読み返すと本当にひどい卒論で燃やしてしまいたいけど……
麻耶雄嵩の"良さ"はなんといっても既存の探偵像に縛られない、予測のつかなさにある。そしてこの「さよなら神様」は何がトリッキーかというと、最初の一文で犯人が名指しされているのだ。探偵が犯人を知った状態でスタートする物語は、たとえばほかに入間人間の花咲太郎シリーズもあり、そこに限って言えば今の読者にとっては珍しくないのかもしれない。しかしその土台に一癖二癖を合わせてくるのがこの作品の楽しいところである。
6章からなる本作は、それぞれの章で全て異なるギミックを用いている。次の章に進むたびに予想を裏切られるので楽しいし、わくわくする。
麻耶雄嵩の作品でいちばん好きなのは隻眼の少女。読み返そうかな。
