見たかったので見に行きました!
めっちゃ面白かったです。演出がすごすぎて「ウワ!!」ってなったし、対比関係とか、ストーリーの構図とか良かった〜!
演出、とくに照明の絞るタイミングが良すぎて、観客の感情と合わせるのがまず凄い。縦河さんが自分のことを話し始めるときの照明が1番好きでした。声のトーンも良かったんだよな……!もともと場内が暗いから、基本的にそういう感情でこっちは見てるんだけど、だからこそ1段階照明が落ちただけでもこんなにゾワゾワするんだろうか。視界が狭まるような、立ちくらみを起こした時のあの感覚。あと、地下牢のような水音がしてて、劇場が地下である意味がありすぎる!
物語的には、私はずっと大塚さんと同じ顔で見ていました。アイツ1番良くないですよ。まさに「下に見られたくないくせに自分が下につく人を探している」奴ですよ。違うか、「下に見られたくない故に同じ土俵に立たないと言う選択肢を取るしかない」奴か?
ストーリーラインで面白いなと思ったのは、これほど非現実な空間、登場人物なのに、ある種現実の縮図のようで気づいたら身に迫ってくるような感覚を作り出していること。
裏裁判、という場所は倫理的な善悪、法的な正誤とはかけ離れた場所です。でもこういう閉鎖的な空間って大小あれど現実にもあるよな、と思う。現実のコミュニティ内で「アイツむかつく!」ってなったとして、倫理的にむかつく根拠をしめしたり、法を持ち出してきてもそのアイツが悪になるわけではありません。それこそコミュニティ内の総意がないと悪たりえませんし、断罪されないことがほとんどです。逆に、倫理的に法的に全く悪でないのにもかかわらず悪になることもある。非日常空間でありながら現実の嫌な部分を観せられてしまう感覚がとても不快で良かった。
観客の総意が取れているわけではないですが、おそらく序盤はほとんどの人が「真木さんがただしい」と感じるんじゃないかな。悪役たちが悪役としてちゃんと描かれている。それが後半になってどんどん「正義」が追い詰められていく。つまり観客にとってストレスがかかっていきます。苦しいですよね。からの、正義じゃない?となるシーン。それまで物語への没入するために頼りにしていた「真木さんがただしい」というハシゴをふっと外されるような心地がした。し、今度は観客の代弁を担うのは葛城さんたちにすり替わっている。「なに、これってどういうこと?」どちらの下につこうかパニックになる人たちを観て、観客である私はどちらに正義があるのだろうとつい考えてしまった。これって、やってること葛城さんたちと変わらないな、と思いながら。あれほど序盤で悪役だと思っていた人たちと同じ椅子に座らせられる居心地の悪さ。「あんたも同じ人間だったってこと」
結末は一応伏せますが、これはハッピーエンドでした、と思える人間でいたい。悪が幸せにはならなかったので。
人物として1番好きなのは真木さんでした!演技としては縦河さんもとても好きだったけど。2人の会話のやり取りが好きだったし、真木さんの「言いましたっけ?」「言ってないですよ」のとこがもうゾワゾワきてすごく好きだったなあ。マジで興味なさそう。純粋な悪と快楽故の悪、どっちがより悪なのかとも一瞬考えたんですけど、どっちも悪です。縦河さんの中には他者がいるけど、真木さんには他者がいないんだなあ。どちらかと言うと私は真木さんよりなので、救われて欲しかったなあという思いはあります。まあでもどちらも悪でした。どちらも悪であると思いたい。